
「不動産の集客にSNSは本当に使えるのか?」と疑問に感じている担当者は多いはずです。
結論からいえば、SNSはすでに不動産業界の集客手段として定着しつつあります。
国土交通省が策定した「不動産業ビジョン2030」でも、デジタルシフトへの対応が業界全体の課題として明記されています。
SNSを使った情報発信を積極的に取り入れる会社が増えているのも、その流れの一環です。
この記事では、不動産会社がSNS集客を始める際に知っておくべきプラットフォームの特徴、具体的な活用方法、運用で成果を出すためのポイントを実例とともに解説します。
不動産集客にSNSが欠かせない理由

不動産の購入・賃貸を検討する人の情報収集行動は、ここ数年で大きく変わっています。
SNS集客がなぜ今の不動産会社に求められるのか、その背景を見ていきましょう。
顧客の情報収集がSNS中心に移行している
総務省「令和5年版情報通信白書」によると、インターネット利用者のうちSNS利用率は80%を超えています。
特に20〜40代の主要購買層では、住まい探しの初期段階からInstagramやYouTubeで物件情報を調べる行動が定着しています。
ポータルサイトを見る前にSNSでエリアの雰囲気や物件写真を確認するという流れは、若年層を中心に定着してきました。
SNSで接点を作れなければ、そもそも検討候補に入らない可能性があることを認識しておく必要があります。
また、購入・賃貸の決断後も「住んでから後悔しないか」を確認するために、SNSで口コミやリアルな体験談を探す行動も広く見られるようになりました。
従来型集客と比べてSNSが優れている3つのメリット
折込チラシや住宅情報誌と比べると、SNS集客には3つの大きなメリットがあります。
以下で詳しく確認していきましょう。
1つ目はコストの低さです。
アカウント開設・投稿は基本無料で始められ、広告費なしでもフォロワーへのリーチが可能です。
チラシ1回の配布コストと比べると、継続的に情報を届けられるSNSの費用対効果は高くなります。
2つ目はターゲティングの精度です。
SNS広告では年齢・居住地・興味関心など細かい条件で配信先を絞り込めます。
「都内で一人暮らしを探している20代」など、具体的な見込み客に直接アプローチできます。
3つ目は関係構築のしやすさです。
継続的な投稿を通じてブランドイメージを育て、問い合わせ前から「信頼できそうな会社」という印象を醸成できる点は、SNSならではの強みといえます。
チラシでは一方的な情報発信に留まるのに対し、SNSではコメントやDMを通じた双方向のコミュニケーションが可能です。
不動産集客で活用すべき6つのSNSと特徴

不動産集客に活用できる主なSNSは6つあります。
それぞれのユーザー層と特徴を理解したうえで、自社のターゲット層に合うプラットフォームを選ぶことが最初のステップです。
Instagram|物件の視覚的な魅力を最大限に伝える
Instagramの国内月間アクティブユーザー数は、2024年時点で推計約6,600万人に達しています。
ビジュアルに強いプラットフォームのため、物件の内装写真やリノベーション事例など「見て楽しい」コンテンツとの相性が抜群です。
30代・40代の女性ユーザーが多く、ファミリー向けや戸建て・マンションの購入層へのアプローチに向いています。
リール(短尺動画)を活用したバーチャル内覧は、来店前の情報収集行動を後押しする効果的な手法です。
「#東京一人暮らし」「#リノベーション賃貸」など検索されやすいハッシュタグを組み合わせることで、フォロワー外へのリーチも拡大できます。
投稿のフィード全体に統一感を持たせると、ブランドとしての信頼性が高まります。
ストーリーズ機能を使ったアンケートや質問箱も活用でき、見込み客との日常的な接点を作りやすい点も特徴です。
X(旧Twitter)|情報の拡散力と担当者のキャラクター発信に強い
Xの国内月間アクティブユーザー数は約6,800万人で、幅広い年齢層にリーチできる規模です。
リポスト機能による情報拡散力が強く、「○○エリアの家賃相場情報」「今週の新着物件まとめ」など時事性の高い情報発信との相性が抜群です。
担当者の日常発信を通じて「人となり」を伝えやすく、個人への信頼構築にも活用できます。
投稿の流れが速いため、週3回以上の継続的な更新が効果的です。
不動産の豆知識や相場情報をわかりやすくまとめた投稿は、引用リポストされやすく、拡散による新規接触を生みやすいといえます。
YouTube|物件のリアルな雰囲気を動画で届ける
YouTubeの国内月間アクティブユーザー数は約7,370万人で、国内有数の規模を持つ動画プラットフォームです。
物件の内覧動画・エリア紹介・不動産購入の基礎知識など、長尺コンテンツを通じて深い信頼関係を構築できます。
テキストや写真では伝えにくい「物件の雰囲気」や「周辺環境の様子」を動画で届けられるため、遠方からの問い合わせや県外移住検討者へのアプローチに特に有効です。
検索エンジン最適化(SEO)の効果もあり、「○○市 一軒家 購入」などのキーワードで上位表示されれば、継続的な問い合わせ獲得につながります。
スマートフォン1台で撮影・編集できるため、初期投資を抑えて始められる点も魅力です。
動画は一度作成すると長期間にわたって視聴され続けるため、蓄積型の集客資産として機能します。
TikTok|若年層への認知拡大と新規顧客の獲得
TikTokの国内月間アクティブユーザー数は約4,200万人で、10〜20代の利用率が高いSNSです。
短尺動画のアルゴリズムが優秀で、フォロワーゼロからでも投稿が拡散されやすく、認知拡大を目的とした初期段階に向いています。
一人暮らしを始める学生や若手社会人へのアプローチに適しており、単身者向け賃貸やコンパクトマンションを扱う会社にとって優先的に取り入れる価値があります。
15〜60秒で結論を伝えるテンポ感のある動画が、このプラットフォームでは特に反応を得やすいです。
「#お部屋探し」「#一人暮らし」などのハッシュタグが若年層に活発に使われており、ターゲット層との接点を作りやすい環境が整っています。
LINE公式アカウント|既存見込み客との関係維持に最適
LINEの国内月間アクティブユーザー数は約9,800万人(2024年・LINEヤフー株式会社公表値)で、国内で広く利用されているコミュニケーションアプリです。
LINE公式アカウントを活用すれば、来店・資料請求をした顧客に物件情報の定期配信やリマインドメッセージを送ることができます。
他のSNSと異なり「拡散」より「深いコミュニケーション」に向いており、すでに接点を持っている見込み客のフォローアップに特に有効です。
「新着物件通知を受け取る」ためのLINE登録を促すことで、見込み客を自社チャンネルに引き込み、来店予約や成約につなげられます。
チャットボット機能を活用すれば、問い合わせ対応の自動化も可能で、営業時間外の問い合わせに対応できる体制を整えられます。
Facebook|40代以上のビジネス層へのアプローチ
Facebookの国内月間アクティブユーザー数は約2,600万人(2024年・comnico調べ)で、40〜60代の利用が比較的多い傾向です。
投資用不動産・事業用物件・高級住宅など、購買力の高い層へのアプローチに向いています。
Facebookページでの実績紹介やスタッフ紹介は、問い合わせ前の不安を解消するうえで効果的です。
Facebook広告は年収・職業・ライフイベント(引越し予定など)でのターゲティングが可能で、ファミリー層や富裕層向け物件の広告配信に活用されています。
グループ機能を活用して地域コミュニティ内での情報発信を行うことで、地域密着型の信頼を醸成することも可能です。
SNSを使った不動産集客の3つの方法

SNSを活用した不動産集客の手法は大きく3つに分類できます。
自社の目的と予算に合わせて使い分けることが、効率的な集客につながります。
以下で詳しく見ていきましょう。
方法1:情報発信(オーガニック運用)
アカウントを開設し、定期的に物件情報・住まいに関する知識・地域情報を投稿する方法です。
費用はかからない一方、成果が出るまでに3〜6か月程度の継続が必要です。
効果的な投稿テーマには、次のものがあります。
- 新着物件の紹介(写真・動画つき)
- エリア別の家賃・価格相場情報
- 物件選びのチェックポイント
- スタッフの日常やバックステージ紹介
単に物件情報を流すだけでなく、「このアカウントをフォローしていると役に立つ」と感じてもらえるコンテンツ設計が、継続的なフォロワー獲得につながります。
方法2:SNS広告の活用
Instagram・Facebook・TikTokなど各プラットフォームの広告機能を使って、見込み客に直接リーチする方法です。
オーガニック運用と異なり、すぐに多くのユーザーに届けられるため、新規開業時やキャンペーン時など短期間での集客強化に向いています。
Instagram/Facebook広告は月額3万〜10万円程度から始める会社が多く、ターゲット設定の精度でCPA(獲得単価)は大きく変わります。
少額でA/Bテストを重ねて、効果の高いクリエイティブとターゲットを特定してから予算を拡大するアプローチが有効です。
方法3:キャンペーン・プレゼント企画
フォロワー増加やアカウントの認知拡大を目的に、プレゼントキャンペーンや「シェアすると○○」という形式の企画を実施する方法です。
短期間でフォロワーを増やせる半面、プレゼント目的のフォロワーが増えるため、本当の見込み客の割合が下がるリスクもあります。
「エリア限定のプレゼント」「住まいに関係するコンテンツ」など、不動産検討層に刺さるテーマで設計することで、質の高いフォロワー獲得につなげられます。
不動産集客でSNSを成功させる5つのポイント

SNSで集客の成果を出すには、基本的な運用方針を守ることが重要です。
運用開始前に確認しておくべき5つのポイントを解説します。
ポイント1:得意なプラットフォームに集中する
複数のSNSを同時に始めると、どれも中途半端な運用になりがちです。
最初は自社のターゲット層と照らし合わせて1〜2つのプラットフォームに絞り込み、まずそこで成果を出してから横展開することをおすすめします。
判断の目安は、主力商材とターゲット層のマッチです。
- 賃貸・単身者向け → Instagram、TikTok
- 売買・ファミリー向け → Instagram、YouTube、Facebook
- 投資用不動産 → Facebook、X
ポイント2:専門性と人間味を組み合わせる
不動産は高額な買い物であるため、「この担当者なら任せられる」という信頼感がSNS集客の鍵になります。
物件情報だけを発信するより、専門知識発信とスタッフの日常を見せる人間味のある投稿を組み合わせることが効果的です。
「○○エリアで家を探す時のポイント5つ」のような記事と日常発信を組み合わせることで、フォロワーとの距離を縮められます。
「この人から買いたい」という感情は、継続的な投稿を通じてしか育ちません。
一貫したキャラクターとトーンで運用することが、長期的な集客効果につながります。
ポイント3:投稿頻度を維持する
SNSのアルゴリズムは、継続的に投稿するアカウントを優遇する設計です。
更新が止まったアカウントはフォロワーに不信感を与えるだけでなく、アルゴリズム上の評価も下がります。
最低ラインの投稿頻度の目安は次のとおりです。
- Instagram:週3〜4回
- X:毎日〜週5回
- YouTube:週1〜2本
- TikTok:週3〜5本
継続できる体制を先に整えてから始めることが、長期的な成果に直結します。
担当者1人に任せきりにすると更新が止まるリスクがあるため、投稿スケジュールとコンテンツの事前制作をチームで仕組み化するとよいでしょう。
ポイント4:SNSからホームページ・問い合わせへの導線を設計する
SNSのフォロワーが増えても、問い合わせや来店につながらなければ集客の成果にはなりません。
プロフィール欄にホームページやLINE公式アカウントへのリンクを設置し、「詳細はこちら」「問い合わせはLINEから」という形で行動を促すことが大切です。
投稿の末尾にCTA(行動喚起)を入れる習慣をつけると、SNSから問い合わせへの転換率が向上します。
「気になる物件の詳細はプロフィールのリンクから」など、次の行動を明確に示す一言を添えるだけで効果が変わります。
ポイント5:定期的に効果を測定して改善する
SNS運用は「やりっぱなし」では成果が伸びません。
各プラットフォームのインサイト(分析データ)を定期的に確認し、反応の良い投稿の傾向を把握することが継続的な改善につながります。
確認すべき主な指標は次のとおりです。
- リーチ数(投稿が届いたユーザー数)
- エンゲージメント率(いいね・コメント・保存の合計÷リーチ数)
- プロフィールアクセス数
- ウェブサイトリンクのクリック数
月1回の振り返りを設けて「どの投稿がよく読まれているか」「どの時間帯に反応が高いか」を分析し、次月の投稿計画に反映することをおすすめします。
不動産SNS集客の成功事例3選

実際にSNSで成果を出している不動産サービスの事例を3つ紹介します。
自社のSNS運用の参考にしてください。
グッドルーム|Instagramで約15万フォロワーを獲得
お部屋探し・賃貸仲介サービス「goodroom(グッドルーム)」は、SNS活用で成果を上げている不動産サービスです。
公式Instagramアカウント(@goodroom_jp)は約15万人のフォロワーを獲得しています。
デザイン性の高い物件に特化した写真投稿と、「こんな暮らしがしたい」という憧れを刺激するコンテンツ設計が特徴です。
物件情報を「ライフスタイル提案」として見せることで、単なる不動産情報サイトではなく「インスタで発見したい場所」として認知されています。
物件の「空間の美しさ」という軸を絶対にブレさせないという方針が、高いフォロワー定着率につながっています。
ゆっくり不動産|YouTubeで75万登録者・再生回数2億回を突破
「ゆっくり不動産」は不動産知識をわかりやすく解説するYouTubeチャンネルです。
登録者数は75万人を超え、総再生回数2億回を突破しています。
不動産購入・賃貸に関する基礎知識から実践的なアドバイスまで、初心者向けに丁寧に解説した動画が人気を集めています。
「専門家に相談する前にまず動画で勉強したい」という視聴者ニーズに応えることで、圧倒的なチャンネル規模を実現しました。
教育コンテンツとして設計することで「すでに基礎知識を持った状態で来店する」という問い合わせの質向上という副次的な効果も生まれています。
総再生回数2億回というスケールは、不動産系YouTubeチャンネルとして国内トップクラスの実績です。
動画コメント欄や説明欄に運営する不動産サービスへの導線が用意されており、認知から問い合わせ・成約までを動画起点で組み立てるモデルとして参考になります。
スタイリー|TikTok活用で若年層にリーチ
お部屋探しアプリ「スタイリー」はTikTokを活用して若年層へのリーチを拡大しています。
一人暮らしを始める学生・新社会人をターゲットとした実用的なコンテンツが人気です。
「3万円台で借りられる東京の部屋」「失敗しない一人暮らしのチェックリスト」など、シェアされやすい投稿で認知拡大に成功しています。
TikTokは若年層の一人暮らし市場に直接アクセスできるプラットフォームとして、今後も不動産業界での活用が広がっていく分野です。
不動産SNS集客で注意すべきリスクと法律

SNS集客を進める際は、リスク管理とコンプライアンスの把握も欠かせません。
2つの観点から注意点を整理します。
炎上・クレームへの備え
SNSは情報拡散が速い分、ネガティブな口コミや誤解を招く投稿が一瞬で広がるリスクに注意が必要です。
次の点に注意してコンテンツを作成することで、炎上リスクを最小化できます。
- 特定の地域や物件への不適切な表現を避ける
- 他社を批判・比較する投稿は行わない
- 事実に基づかない価格・相場情報を発信しない
- コメント欄を定期的にモニタリングし、誤解が広がる前に対応する
クレームが来た際は、感情的に反論するのではなく、丁寧に事実確認したうえでDMや電話での個別対応に誘導することが基本的な対応です。
不動産広告に関する法律・ルール
不動産会社がSNSで物件情報を発信する際は、「不動産の表示に関する公正競争規約」と宅地建物取引業法(宅建業法)の広告規制が適用されます。
主な注意点は次のとおりです。
成約済みの物件をそのまま掲載し続けること(おとり広告)は、2026年5月時点で禁止されています。
公正競争規約は2022年9月施行版が最新です。
おとり広告ガイドラインの最新版を定期的に確認する運用が求められます。
入居・成約が決まった物件の投稿は、速やかに削除または内容を更新することが義務です。
「最高」「最安値」「No.1」などの最上級表現は、根拠なく使用すると景品表示法(景表法)違反になります。
出典や根拠がない場合は、最上級の表現を使わないことが安全です。
物件写真の過度な加工・演出(実際より広く見える演出など)は、消費者に誤解を与えるため避ける必要があります。
社内でSNS投稿ガイドラインを策定し、担当者が迷わず運用できる体制を整えることが、法的リスクを下げる近道です。
まとめ

不動産集客におけるSNSの活用は、費用対効果の高い手段として業界全体に広まっています。
SNS集客を自社だけで運用するリソースが足りない場合や、より効果的な不動産集客の方法を探している場合は、フラン休加盟という選択肢も有効です。
イエステーションは全国216店舗(2026年5月31日現在)以上を展開する不動産フランチャイズ専門ネットワークとして、加盟店への集客支援・マーケティングサポートを提供しています。
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