
不動産業界での経験を生かし、自分の裁量で大きく稼ぎたいと考えている個人事業主や独立志望の方は多いでしょう。
しかし、高収入が得られるという期待の一方で、失敗して廃業するリスクや集客への不安も尽きないものです。
本記事では、不動産の個人経営における年収の実態や、1人起業ならではのメリット・デメリットを解説します。
失敗を防ぐためのポイントもお伝えしますので、ご自身のキャリアプランを検討する際の参考にしてください。
不動産屋の個人経営は儲かるのか?
不動産仲介業は在庫を抱える必要がなく、元手が少なくても高収益を狙えるビジネスモデルとして知られています。
とくに個人経営では、経費を差し引いた利益がそのまま自分の所得となるため、会社員時代とは比較にならない収入を得ることも夢ではありません。
個人経営の収益性について、以下3つを解説します。
- 利益率が高く高収入を狙える
- 成果次第で会社員時代を超える
- 開業初期は収入が不安定になる
これらを知ることで、独立後の収入イメージがより明確になるでしょう。
参考資料:公益財団法人不動産流通推進センター「2025 不動産業統計集 概要」
利益率が高く高収入を狙える
不動産仲介業の最大の魅力は、取引単価が高く仲介手数料による利益率が極めて高い点にあります。
たとえば3,000万円の物件を仲介した場合、片手取引でも約100万円の手数料収入が得られる計算です。
一般的な小売業や飲食業と比較しても、これほど利益率が高いビジネスは稀であり、少ない取引数でも十分に経営を成り立たせることが可能です。
さらに個人経営であれば、人件費や事務所家賃などの固定費を最小限に抑えられるため、売上の多くを利益として手元に残せるのが大きな特徴といえます。
成果次第で会社員時代を超える
会社員の場合、どれだけ大きな契約を決めても給与への反映は限定的ですが、個人事業主なら成果がダイレクトに年収へ直結します。
年間で数件の成約を獲得するだけで、前職の年収を容易に上回るケースも珍しくありません。
努力がそのまま報酬として返ってくる環境は、大きなモチベーションになります。
自分の営業力や人脈をフルに生かして青天井の収入を目指せる点は、独立ならではの醍醐味です。
挑戦する価値は大いにあるでしょう。
開業初期は収入が不安定になる
高収入が期待できる一方で、完全歩合制に近い働き方となるため、成約がなければ収入がゼロになるリスクも背負うことになります。
とくに開業直後は知名度が低く顧客リストもないため、最初の売上が立つまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。
毎月の固定給が保証されていた会社員時代とは異なり、自分の力で案件を獲得し続けなければ、生活すらままならない厳しい現実があります。
そのため、事業が軌道に乗るまでの半年から1年分程度の生活費や運転資金をあらかじめ確保しておくことが、精神的な安定を保つためにも大切です。
不動産会社を1人起業で未経験から始めるメリット
組織に縛られず、自分のペースでビジネスを展開できる1人起業には、大手企業にはない多くの利点があります。
ここでは、1人で開業するおもなメリット3つを紹介します。
- 開業資金や固定費を低く抑えられる
- 意思決定が早く経営の自由度が高い
- 自身の営業力が直に収入へ反映される
それぞれ見ていきましょう。
開業資金や固定費を低く抑えられる
1人で開業する場合、大規模なオフィスや高額な設備投資が不要なため、初期費用を大幅に圧縮できるのが大きな強みです。
自宅の一部を事務所として登録すれば家賃を節約でき、事務員を雇わなければ人件費もかかりません。
商品を仕入れる必要がないため、在庫を抱えるリスクもありません。
最低限の設備と通信環境さえあれば業務が可能なため、資金面に不安がある方でも挑戦しやすいビジネスモデルといえます。
意思決定が早く経営の自由度が高い
組織のしがらみがないため、経営方針や営業戦略をすべて自分の判断で即座に決定し実行できるスピード感があります。
たとえば、特定の地域やニッチな物件種別に特化したり、独自のキャンペーンを打ったりするなど、大手では決裁に時間がかかる施策もすぐに試すことが可能です。
営業時間や休日も自分で自由に設定するため、ワークライフバランスを重視した働き方や、顧客の都合に合わせた柔軟な対応ができます。
この自由度の高さは、変化の激しい市場環境において個人の強力な武器となるはずです。
自身の営業力が直に収入へ反映される
会社員時代は会社の看板で仕事をしていた部分があっても、独立後はすべて自分自身の実力が問われることになります。
顧客との信頼関係を築き、契約を成立させるまでのプロセスすべてが自分の実績となり、それが直接的な収入として跳ね返ってきます。
仲介手数料の全額が自分の売上となるため、1件の契約に対する利益の重みが会社員とは桁違いです。
自分のスキルアップがそのまま収入アップに直結するという事実は、日々の営業活動における最大のやりがいとなるでしょう。
個人で不動産屋を開業する際に直面するデメリット
自由度が高く高収入が狙える反面、個人経営には組織の後ろ盾がないことによるさまざまな困難も待ち受けています。
これらを事前に理解し、対策を講じておくことが、長く事業を続けるためには不可欠です。
ここでは、開業時に直面しやすいデメリット3つを見ていきましょう。
- 社会的信用を得るまでに時間を要する
- すべての責任を経営者自身が負う
- 病気や怪我をした際の保証がない
リスクへの備えが経営の安定につながります。
社会的信用を得るまでに時間を要する
開業したばかりの個人事業主にとって最大の壁となるのが、知名度と信用の不足です。
不動産取引は高額な資産を扱うため、顧客は実績のある大手や知名度の高い店舗を選びがちで、無名の個人店は警戒される傾向にあります。
どれだけ熱心に営業しても、看板の力が弱いために話を聞いてもらえないことも少なくありません。
そのため、地域活動への積極的な参加やSNSでの情報発信を通じて、コツコツと信頼を積み重ねていく地道な努力が必要です。
最初の信頼を勝ち取るまでの期間を耐え抜く忍耐力が求められるでしょう。
すべての責任を経営者自身が負う
1人で経営することは、契約書類の作成ミスから顧客クレームの対応、資金繰りに至るまで、すべての業務責任を背負うことを意味します。
会社員であれば上司や法務部門がフォローしてくれる場面でも、独立後は誰も助けてくれません。
万が一、重要事項説明の不備などで損害賠償請求を受けた場合、その影響は事業の存続に関わるほど甚大になる可能性があります。
自由には重い責任が伴うことを自覚し、常に細心の注意を払って業務を遂行するとともに、専門家とのネットワークを築いておくことが重要です。
病気や怪我をした際の保証がない
個人事業主には、有給休暇や傷病手当金といった会社員特有の福利厚生制度が存在しません。
自分が体調を崩して働けなくなった瞬間から売上がストップし、収入が途絶えてしまうリスクと常に隣り合わせです。
入院や長期療養が必要になった場合でも、事務所の家賃やシステム利用料などの固定費は発生し続けるため、あっという間に資金繰りが悪化してしまいます。
日頃からの健康管理はもちろんのこと、民間の就業不能保険への加入や、万が一の事態に備えた十分な貯蓄を確保しておくなど、自分自身を守る対策が不可欠です。
不動産屋の開業で失敗してしまう典型的な原因
多くの人が夢を持って独立しますが、残念ながら志半ばで廃業に追い込まれるケースも少なくありません。
失敗する事業者には共通するパターンがあり、以下の特徴を知ることでリスクを回避できます。
- 運転資金が尽きて事業継続が困難になる
- 集客ができず売上が立たない
- 大手との差別化ができず埋もれてしまう
これらを避けるための準備が事業の命運を分けます。
運転資金が尽きて事業継続が困難になる
開業資金にばかり目が行き、事業を維持するための運転資金を軽視してしまうことが、廃業を招く最大の要因です。
不動産仲介は契約から入金までの期間が長く、数ヶ月間現金が入ってこないことも珍しくありません。
売上予定があっても手元の現金が尽きれば黒字倒産してしまうため、家賃や広告費、生活費を含めた固定費の支払いが滞り、事業を畳まざるを得なくなります。
最低でも半年、できれば1年分以上の運転資金を開業前に用意し、入金サイトを考慮した厳格なキャッシュフロー管理を徹底することが生存の条件です。
集客ができず売上が立たない
どれほど素晴らしい物件を扱っていても、顧客に見つけてもらえなければ売上にはつながりません。
開業さえすれば自然と客が来ると考えるのは甘く、大手がポータルサイトや広告に巨額の予算を投じる中で、無名の個人店が反響を得るのは至難の業です。
集客戦略を持たずに見切り発車で開業し、問い合わせが鳴らない電話を前にして資金だけが減っていく状況に陥るケースがあとを絶ちません。
ターゲットを絞ったWebマーケティングや、アナログなチラシ配布など、自社の強みに合った集客導線を確立することが急務となります。
大手との差別化ができず埋もれてしまう
同じレインズの物件を扱い、同じようなサービスを提供しているだけでは、ブランド力に勝る大手に顧客を奪われてしまいます。
個人経営が生き残るためには、大手にはできないニッチな分野や、きめ細やかな対応で独自性を打ち出す必要があります。
たとえば、空き家活用に特化したり、特定の学区情報に詳しかったりと、顧客が「あなたにお願いしたい」と思う理由を作らなければなりません。
差別化戦略を持たず、ただ漫然と営業しているだけでは、競争の激しい市場の中で埋もれ、淘汰されてしまうのが現実です。
>>関連記事「空き家ビジネスは今がチャンス!成功事例から学ぶ仕組みと始め方を解説」はこちら
フランチャイズ加盟と完全独立のどちらが個人経営に向いているか
独立には、既存のブランド傘下に入るフランチャイズ(FC)加盟と、自社ブランドを立ち上げる完全独立の2つの道があります。
どちらを選ぶかによって、初期費用や経営スタイルが大きく異なるため、慎重に判断しなければなりません。
それぞれの適性について、以下3つの視点で比較します。
- 初期費用を抑えたいなら完全独立
- 未経験ならノウハウがあるFC加盟
- ブランド力を借りたいならFC加盟
自分の状況に合わせて最適な選択をしましょう。
初期費用を抑えたいなら完全独立
加盟金や保証金、毎月のロイヤリティが発生するFC加盟に対し、完全独立はそれらのコストが一切かかりません。
看板代がかからない分開業資金を大幅に節約でき、その分を運転資金や独自の広告費に回せます。
売上に対するロイヤリティの支払いがないため、利益率を最大化できるのも大きなメリットです。
資金に余裕がなく、小さく始めて徐々に拡大していきたいと考える場合や、独自の屋号やコンセプトに強いこだわりがある場合は適しているといえます。
未経験ならノウハウがあるFC加盟
不動産業界の経験が浅いまま独立する場合、実務の流れや集客ノウハウをゼロから構築するのは困難です。
FCに加盟すれば、本部が蓄積してきた成功事例や業務マニュアル、充実した研修制度を利用できるため、未経験者でも短期間で事業を軌道に乗せやすくなります。
契約書の作成システムや査定ツールなどもパッケージ化されていることが多く、実務面の不安を解消できる点は大きな安心材料です。
ロイヤリティというコストを払ってでも時間を買い、失敗のリスクを減らしたいと考えるならFC加盟が賢明でしょう。
ブランド力を借りたいならFC加盟
フランチャイズに加盟し、同じブランド名や看板を掲げることで、顧客に安心感を持ってもらいやすくなります。
はじめて利用する不動産会社を選ぶ際、多くの人は「聞いたことがある名前」や「統一された看板」に信頼を感じるからです。
個人で一から名前を広めるよりも、本部が蓄積してきた実績や広告活動の効果を活用できる点は大きな魅力といえます。
加盟金やロイヤリティの負担は発生しますが、ブランド力をてこにして集客スピードを高めたい場合には、有力な選択肢となります。
まとめ:不動産を個人経営で成功させるには入念な準備が必要
不動産の個人経営は高収益が魅力ですが、すべてを1人で背負うリスクも伴います。
長期的な安定を目指すなら、確かなノウハウを持つパートナー選びが重要です。
「イエステーション」は、地域No.1を目指すための実践的な研修や、加盟店同士で成功事例を共有する「支部会」など、成長できる仕組みが整っています。
大手と比較して圧倒的に低いロイヤリティや、商圏を守る地域1社限定の制度も大きな強みです。
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