
不動産業での独立やフランチャイズ加盟を考えたとき、本当に儲かるのか、年収はいくらくらいになるのか気になる方も多いでしょう。
不動産業界は高収入のイメージがありますが、一方で廃業のリスクも存在します。
成功するためには、どのような仕組みで利益が上がるのかを正確に理解することが不可欠です。
本記事では、不動産業のリアルな起業成功率から、仲介手数料などの具体的な収入源まで、儲かる仕組みを解説します。
ぜひ不動産業で成功するための戦略立案にお役立てください。
不動産での起業成功率はどのくらいか
不動産業での独立起業を考えた際、成功率は気になるところです。
高収入のイメージがある一方で、必ずしも成功が保証されているわけではありません。
ここでは、以下3つの観点から、不動産業界のリアルな成功率を紹介します。
- データで見る不動産業の廃業率
- 新規参入と廃業の実態
- 成功率が高いとはいえない理由
それぞれ見ていきましょう。
参考:公益財団法人不動産流通推進センター「2025不動産業統計集 (9月期改訂)」
データで見る不動産業の廃業率
不動産業の廃業率を正確に示す統計は限られますが、保証協会の入退会状況が実態を反映しています。
多くの事業者は開業時に保証協会に加入するため、「退会」が実質的な「廃業」とみなせます。
令和6年度のデータでは、保証協会会員総数12万8,654件に対し、年間の退会件数は合計4,610件でした。
これをもとに計算すると、年間の廃業率は約3.6%となります。
これは100社のうち3~4社が1年で事業を閉鎖している計算です。
他業種と比べ極端に高くはないものの、決して楽観視できない数字といえるでしょう。
新規参入と廃業の実態
不動産業界は、廃業する事業者数を上回る新規参入があり、事業者総数は増加傾向にあります。
令和6年度の統計では、宅地建物取引業者数の総数は前年度から1,708業者増加しました。
同期間の保証協会の動向を見ると、4,610件の退会(廃業)に対し、6,193件の新規入会(開業)があり、活発な新陳代謝がうかがえます。
これは、在庫リスクが少ないなど、他業種に比べ参入障壁が低い側面もあるためです。
しかし、参入しやすい分、競争相手も常に増え続けていることを意味します。
毎年多くの新規事業者が参入し、その中で一定数が淘汰される厳しい業界です。
成功率が高いとはいえない理由
廃業率が約3.6%と低めに見えても、成功しやすいわけではありません。
統計に表れにくい実態があります。
たとえば、令和6年の不動産業の「倒産」件数は284件ですが、保証協会の「退会」件数は4,610件です。
これは、倒産に至る前に自主廃業を選ぶ事業者が多いことを示唆しています。
また、顧客トラブルも経営を圧迫。
令和5年度の苦情紛争相談では「重要事項説明等」が35.9%と最多で、次いで「瑕疵問題」(8.8%)、「契約の解除」(6.6%)と続きます。
一件でも起これば経営に打撃を与えるトラブルへの対応負担も、成功を阻む要因です。
不動産屋が儲かる仕組みとは
不動産業が高収入を得られる可能性があるのは、その独自の収益構造にあります。
事業を成功させるには、どのような業務が利益を生み出すのか、その「儲かる仕組み」を正確に理解しておくことが不可欠です。
ここでは、以下4つの主要な収入源について、その仕組みを解説します。
- おもな収入源は仲介手数料
- 安定収入につながる管理手数料
- 物件売買による売却益
- その他の手数料収入
詳しく見ていきましょう。
おもな収入源は仲介手数料
不動産屋のもっとも代表的な収入源は、不動産売買や賃貸借の契約を成立させた際に、依頼者から受け取る「仲介手数料」です。
とくに売買仲介は、一件あたりの報酬が高額になる点が大きな魅力です。
法律で上限が定められており、400万円を超える物件の場合は「売買価格(税抜)×3%+6万円」+消費税が上限となります。
たとえば3,000万円の物件なら、約105万円(税込)が上限です。
一方、賃貸仲介の手数料は宅地建物取引業法によって、貸主と借主のそれぞれから受け取れる上限は家賃の0.5ヶ月分以内と定められています。
安定収入につながる管理手数料
売買や賃貸の仲介手数料と並び、経営の安定化に不可欠な収入源が「管理手数料」です。
これは、アパートやマンションのオーナーから物件の管理業務を委託されることで、毎月継続的に得られる収入を指します。
管理手数料の相場は、家賃収入の3%から7%程度が目安です。
一件あたりの報酬は少額ですが、管理戸数が増えれば着実なストック収入となります。
売上が不安定になりがちな仲介業務を支える、安定した収益基盤として機能します。
物件売買による売却益
不動産会社が自ら物件を仕入れ、売主として販売することで得られる「売却益」も、大きな収入源となり得ます。
このモデルの魅力は、一度の取引で得られる利益が大きい点です。
うまくいけば数百万円から数千万円の売却益を得ることも可能です。
ただし、仲介業とは異なり、物件を仕入れるためのまとまった資金が必要になります。
また、買い手が見つからなければ物件が在庫となり、管理費用がかさむリスクも伴います。
その他の手数料収入
主要な収入源のほかにも、不動産業務に関連するさまざまな手数料収入があります。
これらは一つひとつが大きな金額でなくても、積み重なることで経営の助けとなるはずです。
代表的なものに、賃貸契約時の「更新手数料」や、各種契約手続きに伴う「事務手数料」などがあげられます。
中古物件の仲介をおこなう際に、顧客のニーズに合わせてリフォームやリノベーションを提案し、成約することで手数料を得るケースもあります。
さらに、火災保険の代理店として契約を取り次ぎ、保険会社から代理店手数料を受け取ることも一般的な収入源の1つです。
不動産業界で一番儲かる仕事は何か
「結局、どの仕事が一番儲かるのか」というのは、独立を目指す方にとって最大の関心事でしょう。
ここでは、それぞれの事業モデルの特徴と収益性について比較検討します。
- 高単価を狙える売買仲介
- 安定性が魅力の賃貸管理
- 未経験でも始めやすい賃貸仲介
- 物件売買・開発
それぞれ見ていきましょう。
高単価を狙える売買仲介
一件あたりの利益がもっとも大きく、高い収益性を期待できるのは「売買仲介」です。
仲介手数料は取引額に比例するため、一件の成約で得られる報酬が大きくなります。
たとえば、5,000万円の物件を仲介した場合の上限手数料は、税抜で156万円(5,000万円×3%+6万円)です。
在庫を抱えるリスクがないため、個人事業主や小規模な会社でも大きな利益を上げられる可能性があります。
ただし、契約成立までに時間がかかることや、高い専門知識と営業力が求められる点、さらに景気の影響を受けやすいという側面も持ち合わせています。
安定性が魅力の賃貸管理
短期的な高収益よりも、長期的な経営の安定性を求めるならば「賃貸管理」が適していま
す。
賃貸管理のおもな収入源は、オーナーから毎月受け取る管理手数料です。
相場は家賃の3%〜7%程度と一件あたりの金額は小さいといえます。
しかし、管理契約が続く限り継続的に収入が発生する「ストック型」のビジネスモデルである点が最大の強みです。
たとえば、家賃8万円の物件を200戸管理し、手数料率が5%の場合、月額80万円(年間960万円)の安定した収益が見込めます。
経営を安定させるには、一件あたりの収益が少ないため、管理戸数を増やし規模を拡大することが大切です。
未経験でも始めやすい賃貸仲介
不動産業界が未経験の方が独立開業する場合、比較的参入しやすいのが「賃貸仲介」です。
賃貸仲介は、売買仲介と比べて一件あたりの取引額が小さく、お客様のニーズ(家賃や立地・間取りなど)も明確な場合が多いのが特徴です。
売買に比べて契約成立までの期間が短く、取引の回転が速いため、比較的早い段階でキャッシュフローを生み出せます。
ただし、一件あたりの手数料収入は家賃の1ヶ月分程度と売買に比べて低いため、経営を安定させるには多くの契約件数をこなす必要があります。
物件売買・開発
不動産業界で大きな利益を生む可能性があるのは、自ら土地を仕入れて建物を開発したり、物件を買い取って再販したりする「物件売買・開発」事業です。
これは仲介ではなく、仕入れ値と販売価格の差額である「売却益」を狙うビジネスモデルです。
成功すれば一件の取引で数千万円以上の利益を上げることも夢ではありません。
しかし、この事業には土地や建物の仕入れに莫大な初期費用が必要です。
銀行からの融資が不可欠であり、もし物件が売れ残れば大きな損失を抱えることになります。
高度な市場分析と資金力が求められるため、独立開業者がすぐに参入するにはハードルが高い分野です。
不動産で儲けを左右する重要なポイント
不動産業で儲かる仕組みを理解したうえで、次に考えるべきは「どうすれば成功できるのか」です。
同じ不動産業を営んでいても、大きな収益を上げる事業者と、そうでない事業者がいます。
ここでは、不動産で儲けるためにとくに重要となる6つのポイントを掘り下げていきます。
- どの事業モデルを選ぶか
- どのエリアで開業するか
- どのように集客するか
- 強力な人脈を持っているか
- 高い営業力があるか
- 役立つ資格を保有しているか
これらの要素を総合的に検討し、自身の強みを生かせる戦略を立てましょう。
どの事業モデルを選ぶか
不動産業で収益を上げるためには、まず自身の経験や資金力に合った事業モデルを選ぶことが肝心です。
たとえば一件あたりの利益が大きいからといって、業界未経験者がいきなり売買仲介や買取再販から始めると運転資金が尽きてしまう可能性があります。
その場合、まずは賃貸仲介からスタートし、取引の回転率を上げてキャッシュフローを生み出すほうが堅実です。
あるいは、賃貸管理を並行しておこない、安定したストック収入を確保するのもよい戦略です。
どのエリアで開業するか
開業するエリアの選定は、事業の収益性に直結します。
都市部は人口が多く市場規模も大きいですが、大手不動産会社をはじめとする競合がひしめき合っています。
一方、地方や郊外は、競合が少ないかもしれません。
地域に密着したきめ細かなサービスを提供することで、独自の地位を築きやすいメリットがあります。
また、物件価格が安いため、投資利回りが高くなる傾向も見られます。
ただし、人口減少が続くエリアでは賃貸需要が先細りし、空室リスクが高まる点には注意が必要です。
その地域の人口動態や将来の再開発計画なども考慮し、戦略的にエリアを選ぶ必要があります。
どのように集客するか
現代の不動産業において、集客方法の巧拙は収益に直結します。
成功している不動産屋は、Webを活用した多角的な集客戦略を実践しています。
まず、自社のホームページを充実させましょう。
物件情報だけでなく、地域情報や専門知識など役立つコンテンツを発信し、SEO対策(検索エンジン最適化)をおこなうことが基本です。
同時に、ポータルサイトへの広告出稿も有用な集客手段です。
さらに近年は、SNSの活用が欠かせない施策となっています。
Instagramでおしゃれな物件の写真を、YouTubeでルームツアー動画を公開するなど、視覚的に訴える手法が効果的です。
強力な人脈を持っているか
不動産業は「情報」が収益の源泉であり、その情報を得るために「人脈」は貴重な資産となります。
とくに売買仲介では、まだ市場に出回っていない「未公開物件」の情報をいかに入手できるかが、他社との差別化につながります。
こうした情報は、地域の金融機関や弁護士や司法書士などの士業、建設会社や解体業者など、多岐にわたるネットワークから得られることが多いです。
開業当初は人脈が少ない状態からスタートするため、業界のイベントに参加するなど、積極的に人脈作りに努める必要があります。
高い営業力があるか
どれだけ集客ができ、よい物件情報を扱っていても、最終的に契約を成立させる「営業力」がなければ収益には結びつきません。
不動産業における営業力とは、単に物件の長所を説明することではなく、お客様が本当に求めているもの(潜在的なニーズ)を引き出すヒアリング能力です。
そして、お客様が抱える不安や疑問にたいして、専門知識を持って的確に答え、信頼関係を築く力が求められます。
たとえ大手企業で実績があっても、独立後は個人の力量が問われることになります。
役立つ資格を保有しているか
不動産業で儲けるためには、関連資格の保有が大きく影響します。
とくに「宅地建物取引士(宅建士)」の資格は、法的に必要不可欠です。
宅建士は重要事項の説明や契約書への記名など、法律で定められた独占業務をおこなえます。
不動産会社は、事務所ごとに従業員5人につき1人以上の専任の宅建士を設置することが義務付けられています。
そのため、個人で開業する場合は経営者自身が宅建士でなければ、資格者を雇用する必要があり、人件費を考慮しなければいけません。
まとめ:不動産業で儲かるためには戦略が大切
不動産業で儲かるためには、事業モデルの選定や集客戦略が欠かせません。
しかし、集客や社員教育、業務効率化といった課題に直面し、経営の相談先が見つからずに悩む方も少なくありません。
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