コラム

公開日 2025.07.30 更新日 2025.07.30

不動産開業は未経験でもできる?40代・50代からの開業手順を解説

不動産業界での独立開業を検討されている方の中には、業界未経験であることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。とくに40代・50代から新たな挑戦をする場合、「今からでも間に合うのか」「本当に成功できるのか」という疑問を抱くのは当然です。しかし、新規開業者の全体像として、40代(37.4%)と50代(20.8%)を合わせると、半数以上(58.2%)を占めているというデータがあります。

 

本記事では、未経験から不動産開業を成功させるための具体的な手順と、年代別の成功ポイント、開業時に直面する課題の解決策を解説します。最後までお読みいただき、不動産開業への第一歩を踏み出してください。

未経験からの不動産開業は可能!40代50代にこそチャンス

不動産開業は未経験からでも十分に可能であり、とくに40代・50代の方にとってはチャンスが広がっています。2024年の調査によると、新規開業者の平均年齢は43.6歳で、40代と50代が全体の半数以上を占めているのが現状です。

 

多くの人が「これまでの仕事の経験や技能を生かせる」ことを開業理由にあげており、豊富な社会経験が強みになることが分かります。実際に、開業者の約6割が売上の増加を実感し、7割以上が開業に満足しているのが現状です。これらのデータは、40代・50代の方がキャリアを武器に、不動産開業で成功できる可能性を示しています。

 

参考資料:日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」

 

未経験での不動産開業までの具体的な流れ

未経験から不動産開業を目指すには、計画的に準備を進めることが肝要です。思いつきで行動すると、手続きの漏れや資金不足に陥る可能性があります。着実にステップを踏むことで、スムーズなスタートを切れるでしょう。

 

ここでは、独立までの具体的な流れを5つ紹介します。

 

  • 事業計画と資格取得の計画
  • 資金計画と調達方法の検討
  • 事業形態の決定と事務所の確保
  • 会社設立と免許申請の手続き
  • 開業準備と営業の開始

 

これらの各ステップを着実にクリアしていくことが、成功への第一歩となります。

 

事業計画と資格取得の計画

まずは、事業の設計図となる事業計画を立てることから始めましょう。明確な計画がなければ、事業の方向性がぶれてしまい、融資を受ける際にも不利になります。対象となる顧客・エリア・ご自身の強みを具体化することが大切です。

 

同時に、不動産業に必須の「宅地建物取引士」の資格取得も計画に含める必要があります。自分が取得するのか、資格を持つ人を雇うのかを決めなければなりません。宅建士は「事務所の従業者5人につき1人以上」の割合で専任配置する必要があります。独学で目指す場合は、学習期間も考慮して全体のスケジュールを組みましょう。

 

資金計画と調達方法の検討

事業の継続には、現実的な資金計画が欠かせません。開業時に必要な資金は、大きく分けて「設備資金」と「運転資金」の2種類です。事務所の契約費用や備品購入費などの設備資金に加え、開業後すぐには収益が上がらないことを見越した運転資金も重要です。

 

最低でも6ヶ月分程度の運転資金を用意しておくと、精神的な余裕が生まれるでしょう。自己資金だけで不足する場合は、日本政策金融公庫創業融資などが有力な選択肢です。具体的な事業計画があれば、未経験でも融資を受けられる可能性は十分にあります。

 

事業形態の決定と事務所の確保

次に、個人事業主として始めるか、法人を設立するかを判断します。社会的信用度や税金の面では法人が有利ですが、設立費用や手続きの負担は大きくなります。一方、個人事業主は手軽に始められる点がメリットです。事業規模や将来の展望に合わせて選択しましょう。

 

また、事務所も確保しなければなりません。不動産業の事務所には、独立した入り口があるなど一定の要件が定められています。自宅の一部を利用することも可能ですが、その場合でも生活空間と明確に区別されていることが求められます。

 

会社設立と免許申請の手続き

事業形態として法人を選んだ場合は、法務局で会社設立の登記手続きを進めます。登記が完了したら、税務署などへの開業届も忘れずに行いましょう。

 

その後、いよいよ不動産業を営むための宅地建物取引業免許を申請します。申請先は、事務所を設置する都道府県です。申請には多くの書類が必要となり、審査にも時間がかかります。不備なくスムーズに進めるため、事前に要件を確認しておくことが賢明です。免許取得後は、営業保証金1,000万円を法務局に供託するか、宅建協会に加入して弁済業務保証金60万円を納付する必要があります。

 

開業準備と営業の開始

宅建業免許を取得できたら、いよいよ開業準備の最終段階です。事務所に電話やインターネット回線を引き、パソコンや複合機などの備品をそろえましょう。顧客情報や物件情報を管理するためのシステム導入も検討します。

 

同時に、営業活動も始めなければなりません。ホームページや名刺の作成、広告の出稿準備などを進めます。すべての準備が整い、営業保証金の供託を終えれば、ついに不動産屋としての業務を開始できます。開業後も継続的な努力が、成功の鍵です。

 

未経験者が不動産開業で直面する課題と解決策

不動産開業には大きな可能性がありますが、未経験者ならではの課題も存在します。事前に課題を把握し、対策を練っておくことで、多くの失敗を回避できるでしょう。スムーズな事業運営のためには、想定される壁を理解しておくことが大切です。

 

ここでは、未経験者が直面しがちな5つの壁と、その乗り越え方を解説します。

 

  • 顧客ゼロから始める集客の壁を突破する方法
  • 運転資金不足で廃業しないための資金管理
  • 業務効率を飛躍させるITツールの活用
  • 孤独を乗り越える同業者とのつながり
  • フランチャイズ加盟という選択肢

 

これらの課題解決策を知っておくことが、事業を安定させるためのポイントです。

 

顧客ゼロから始める集客の壁を突破する方法

開業当初、もっとも大きな課題となるのが集客です。人脈や知名度がない状態では、待っているだけではお客様は来ません。まずは、自身の事業所のホームページやブログを開設し、専門家としての情報を発信することから始めましょう。

 

地域の不動産情報や、不動産売買の豆知識などを提供することで、信頼を獲得できます。並行して、地域のイベントへ参加したり、異業種の交流会に顔を出したりするのも有効です。オンラインとオフラインの両面から地道に接点を増やしていくことが、顧客とつながる一歩となります。

 

運転資金不足で廃業しないための資金管理

運転資金の枯渇は、廃業に直結する深刻な問題です。不動産業は成約まで時間がかかるため、収入がない期間も家賃や人件費などの固定費は発生します。開業時に十分な運転資金を用意することはもちろん、日々の資金管理も徹底しなければなりません。

 

毎月の支出を正確に把握し、無駄なコストは削減しましょう。また、売上があった際も、将来の不測の事態に備えて一部を留保しておくと安心です。資金繰りが厳しくなる前に、追加融資や制度の活用を検討するなど、早めの対策が事業の継続には不可欠です。

 

業務効率を飛躍させるITツールの活用

1人や少人数で開業する場合、限られた時間で多くの業務をこなす必要があります。そこで重要になるのが、ITツールを活用した業務の効率化です。近年は、不動産業に特化した便利なクラウドサービスが数多く提供されています。

 

たとえば、顧客情報を一元管理するCRMツールや、物件情報を簡単に登録・公開できるシステムなどがあります。これらのツールを導入することで、事務作業の時間を大幅に削減できるでしょう。削減できた時間で営業活動に注力することが、売上向上に直結します。積極的に最新技術を取り入れる姿勢が大切です。

 

孤独を乗り越える同業者とのつながり

1人で開業すると、業務上の悩みや不安を相談できる相手がおらず、孤独を感じやすくなります。とくにトラブルが発生した際、1人で抱え込んでしまうのは危険です。そのため、意識的に同業者との横のつながりを作っておくことをおすすめします。

 

地域の宅建協会の会合や、研修に積極的に参加するのもよいでしょう。同業者と情報交換することで、新たな知識を得られたり、有益な物件情報を共有してもらえたりすることも。互いに助け合える仲間がいることは、精神的な支えになるだけでなく、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。

 

フランチャイズ加盟という選択肢

集客や業務ノウハウに不安がある場合、フランチャイズに加盟するのも有力な選択肢です。本部の知名度やブランド力を利用可能なため、開業当初から一定の集客効果が期待できます。また、成功事例に基づいた研修制度や業務マニュアルが提供される点も大きなメリットです。

 

ただし、加盟金や毎月のロイヤリティといった費用が発生します。本部のサポート内容と費用のバランスを慎重に見極めることが重要です。完全に独立して自由に経営したいのか、本部の支援を受けながら安定した経営を目指すのか、自身の事業方針に合わせて検討しましょう。

 

年代別状況別の不動産開業の成功ポイント

不動産開業の成功戦略は、個人の年代や状況によって異なります。自身の持つ強みを最大限に生かすことが、他社との差別化につながるでしょう。画一的な方法を目指すのではなく、自分ならではの戦い方を見つけることが大切です。

 

ここでは、年代や状況に応じた3つの成功ポイントを紹介します。

 

  • 40代は培った人脈と経験を収益化する
  • 50代は定年後も続けられる事業設計を行う
  • 女性ならではの強みを生かした営業スタイルにする

 

ご自身の状況と照らし合わせ、独自の成功パターンを築き上げましょう。

 

40代は培った人脈と経験を収益化する

40代で開業する最大の強みは、これまでのキャリアで築いてきた人脈と社会的信用です。前職の同僚や取引先・友人など、身近な人間関係の中に将来の顧客候補がいる可能性があります。まずは、独立開業したことを丁寧に報告することから始めてみましょう。

 

すぐに仕事に結びつかなくても、あなたが不動産業を始めたことを覚えておいてもらえれば、将来声がかかるかもしれません。さまざまな業界での経験は、顧客の多様な背景を理解するうえでも役立ちます。これまでの人生で得たすべてをビジネスにつなげるという視点が大切です。

 

50代は定年後も続けられる事業設計を行う

50代からの開業は、セカンドキャリアの集大成と位置づけられます。体力的に無理なく、定年後も生涯現役で続けられるような事業設計を心がけることが成功の鍵です。急成長を狙うよりも、地域に根差し、顧客と長い信頼関係を築くスタイルが向いているでしょう。

 

豊富な人生経験からくる顧客への深い共感力は、ほかの年代にはない大きな武器です。相続に関する相談や、老後の住み替えといったシニア層のニーズに応える専門家を目指すのもよい戦略といえます。腰を据えてじっくりと事業を育てていく視点を持ちましょう。

 

女性ならではの強みを生かした営業スタイルにする

不動産業界はまだ男性中心のイメージがありますが、女性ならではの視点や感性は大きな強みになります。とくに、住まい探しでは女性が主導権を握るケースも少なくありません。同性だからこそ共感できる悩みや希望に寄り添うことで、顧客から絶大な信頼を得られるでしょう。

 

たとえば、きめ細やかな気配りや、生活動線を意識した物件提案などが喜ばれます。また、防犯面や子育て環境など、女性ならではの視点を生かしたアドバイスも価値があります。柔らかく、話しやすい雰囲気作りを心がけることで、独自の営業スタイルを確立できるはずです。

 

まとめ:不動産開業は未経験でも可能!不安な場合はプロに相談を

不動産業界での開業は、未経験であっても十分に成功の可能性があります。とくに40代・50代の方は、これまでの社会人経験や人脈を生かすことで、若い世代にはない強みを発揮できるでしょう。しかし、1人ですべてを準備するのは大変な作業です。そのようなときは、フランチャイズへの加盟も選択肢の1つとなります。

 

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